ミトコンドリアは、細胞の中にあるとっても小さい「働き者の工場」。
体を動かしたり、頭を使ったりするエネルギーを作る大切な場所です。
このエネルギーは「ATP」と言い、特別な燃料みたいなもので、これがないと細胞は働けなくなります。
赤血球以外のすべての細胞に100個~2000個程度存在して、特に多くのエネルギーを要する脳や心臓には特に多く存在しています。
*こちらのページは随時更新します。更新日:2024.12.1
1.ミトコンドリアの働き
ミトコンドリアは、特別なDNAを持っていて、赤血球を除くすべての細胞に存在しています。中でも大量にエネルギーを使う脳や心臓には特に多く存在しています。
ミトコンドリアの働きは、
①ヒトの活動エネルギー(ATP)を産生:ブドウ糖と酸素を使います。体内のエネルギーの90%以上を産生。
②糖の代謝を活性化:脂肪を酸化させ燃焼し、糖代謝を活性化しますが、酸化した脂質が増えるとガンなどの原因に…
③免疫力の活性:免疫細胞にもエネルギーを届け、免疫を活性!
④活性酸素を利用:活性酸素を利用して、病原体の駆除をします。
⑤細胞内のカルシウムイオンの濃度調節:細胞の状態を変化させるときに必要なカルシウムイオン。筋肉の動き、血液凝固、神経伝達物質の放出に関わっています。
⑥細胞自体の健康維持:役目を終えると自ら消滅しますが、死滅することで健康を保つ重要な仕組みで「アポートーシス」と言われます。傷ついたり役目を終えた細胞が残ると病気や老化の原因に。
2.ミトコンドリアの減少と機能低下
ミトコンドリアが減少・機能低下すると、細胞の活動が低下し、次のような症状が現れる可能性があります。
・脳の神経細胞であれば、見たり、聞いたり、物事を理解したりすることが障害される。
・心臓の細胞であれば、血液を全身に送ることがしづらくなる。
・筋肉の細胞なら、運動が障害されたり、疲れやすくなったりする。
・卵母細胞や精子なら、不妊症や不育症などに影響する。
・胃の細胞なら、胃の働きが落ち、消化や吸収がしにくくなる。
・腸の細胞なら、消化吸収、便通に影響が出る。
など。
ミトコンドリアは各細胞内に存在するので、細胞のいる臓器の機能低下に繋がります。
ミトコンドリアの減少と機能低下の原因は
①加齢:年齢とともに機能や数が低下。20代がピークで40代から急激に数が減っていきます。
②腸内環境の乱れ:悪玉菌が増加し、有害物質が細胞内に取り込まれることでミトコンドリアの機能が低下します。特に腸カンジダ症な注意。ミトコンドリアの機能低下だけでなく、腸壁にも影響を与え、リーキーガット症候群の原因に!
③活性酸素:活性酸素の過剰増加は、ミトコンドリア自体の機能が低下します。
④ストレス:ストレスも活性酸素の増加の一因。また、ストレスにより細胞内の相互伝達が阻害され、ミトコンドリア自体の機能が低下します。
⑤慢性炎症:慢性炎症も活性酸素を増やす要因の一つです。ケガだけでなく肩こりや腰痛なども炎症の1つです。
⑥運動不足:細胞内の余ったATPがミトコンドリアの数や質を低下。活性酸素を発生させて身体の老化を進める可能性があります。
⑦低血糖:低血糖が長期間続くと、ミトコンドリア自体の機能が低下します。
⑧栄養不足:特にビタミンB群、ミネラルは欠かせない栄養素です。
⑨有害金属の蓄積:細胞内の情報伝達が阻害され、機能が低下します。
です。
加齢は止められないにしても、そのほかの事は、日々の生活習慣の見直しで改善が出来ます。
3.ミトコンドリアを活性化&増やす生活習慣
日常のちょっとした習慣の工夫で、ミトコンドリアの活性化と増加することが出来ます。
①有酸素運動:ウォーキングなら30分を週に3回くらい
②背筋を伸ばす:背筋の筋肉にはミトコンドリアが多く含まれていることと、美姿勢は全身の筋肉を効率良く使うため、エネルギー代謝が良くなります。
③寒いところで寒さを感じる:ちょっとした負荷をかけることで、エネルギーを作ろう!とスイッチが入ります。(冷えは厳禁です)
④ファスティング・空腹:余剰エネルギーの消費と腸内環境を調える効果があります。16時間の空腹がオートファジーを発動させ、ミトコンドリアがRenewal!
⑤バランスのいい食事をとる:偏った食事は腸内環境に影響すると同時に栄養不足を起こします。
⑥デアザフラビン、NMN、コエンザイムQ10、抗酸化物質、オメガ-3脂肪酸、カテキン、ビタミンB群、ポリフェノール、アミノ酸の摂取:ミトコンドリアの好物です。
4.まとめ
ミトコンドリアは、体を元気に動かすエネルギーを作る大切な場所。
ミトコンドリアを活性化することでココロとカラダの健康につながります!
〈2024.12.1追記〉
★オートファジーとアポトーシス 細胞のリサイクル、除去と言う機能でオートファジーとアポトーシスと言う言葉があります。
違いは…
オートファジーは、細胞の「リサイクル工場」のようなもの。
細胞が古くなったり壊れたパーツや不要な物を分解して、再利用可能な材料に変える仕組みです。たとえば、飢えたときにエネルギーを作るために、細胞が自分の中のいらない部分を食べて生き延びるのに役立ちます。だから、オートファジーは細胞が長く健康でいられるようにする「お掃除屋さん」とも言えます。
アポトーシスは、「細胞の卒業式」といった感じです。
細胞が古くなったり病気になったりして、もう役に立たなくなったとき、自分で「そろそろお別れの時間だな」と判断して、壊れて消えるプログラムです。この仕組みは、体の中で問題のある細胞を取り除いて、全体の健康を保つ「安全装置」の役割をしています。
ミトコンドリアには両方の機能があります。(働きます)
オートファジーは、例えば、傷ついたミトコンドリアに働き、ミトコンドリア自体を分解します。傷ついたままでは、正常な働きは出来ず、場合によっては、悪い影響を他に与えてしまいかねません。「健康を維持」には必要です。
ちなみに16時間以上、固形物の摂取を控えることで、オートファジーが作動し、古いミトコンドリアに働きかけ、新しいミトコンドリアが作られます。
一方、アポトーシスは、遺伝子によってあらかじめセットされていた細胞の死です。ミトコンドリアが寿命を全うするイメージです。苦しむことのない老衰のようなもの。
両方の働きによりミトコンドリアは、常に正常な働きを維持し、ヒトのあらゆる活動に必要なエネルギーを作り、様々な細胞の正常な機能維持につながるのです。
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