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脂質はココロとカラダの味方②│ココロとカラダに栄養を

脂質はココロとカラダの味方2つ目は、脂質について深掘りです。

脂質は、カラダを作るうえで大切な三大栄養素の1つ。

なのに、悪者になりがちな脂質を味方にするための深掘りです。




1.脂質・脂肪・脂・油とは?

脂質・脂肪・脂・油と様々な表現がありますが、簡単に。


脂質:3大栄養素の1つで高効率のエネルギーにもなり、カラダの構成成分の1つでもあります。


脂肪:栄養学的には脂質を同義。身体についた中性脂肪や皮下脂肪などの事を示すこともあります。


脂(あぶら):常温で固体。動物性由来の物に使われることも。


油(あぶら):常温で液体植物性の物に使われることも。


油脂:油と脂のこと



2.脂質の働き

脂質の働き
脂質の働き

① 脂質は、3大栄養素の1つ。

脂質1gで約9kcalとエネルギーを効率よく生み出すパワーある栄養素です。

ちなみにたんぱく質と糖質の約2倍!(たんぱく質と糖質は1gで約4kcal)


② カラダの構成成分

細胞膜、ホルモン・胆汁酸の材料になります。


ヒトの最小単位ともいえる「細胞」。

その一番外側にあり形を保持する「膜:細胞膜」の重要な材料。

この細胞膜は形を形成するだけでなく、物質の出入りも行う高機能な膜です。

丈夫でしっかりした質の高い細胞膜をもつ細胞は形(スタイル)も良く、細胞内外の様々な物質の出入りがスムーズになるというわけです。

カラダにイイ食材やサプリメントなどの効果が分かりにくいという方はもしかしたら、細胞膜の質が影響しているかもしれません。



また、脂質を材料(厳密にはコレステロール)とするホルモンは、

・性ホルモン:黄体ホルモン・卵胞ホルモン・男性ホルモン

・抗ストレスホルモン(コルチゾールなど)

・物質交換&循環ホルモン(アルドステロンなど)




などです。


注目は【女性ホルモンの原料になる!】

脂質が足りないと、女性ホルモンが作られなくなる!は言い過ぎですが、あながち間違っていない。というのも、ダイエットをすると油物を避けがちです。すると


脂質が足りない → 女性ホルモンが作られない → 生理の不調(不順・PMS・生理痛・不妊など)


無きにしも非ずです。


胆汁酸は、脂質性の高い食物を分解・吸収しやすくする消化液。石鹸の様に油脂の表面を変化させ、分解しやすくするので「腸内の洗剤」と言われています。

自らを消化するための働きを持つ脂質は、奥ゆかしいヤツです。



③ 脂溶性ビタミンや脂溶性物質の運搬


様々な消化酵素や消化液で分解され細胞膜やエネルギーを作りますが、生成する際に必要な物質を生成工場(臓器)への運搬をする必要があります。

補酵素とも言われるビタミンです。そのビタミンのなかでも脂溶性ビタミン(ビタミンA・D・E・K)やその他の物質の運搬役でもあります。


脂質+ビタミン+その他物質 ⇨ 代謝エネルギーやホルモン、循環エネルギーなど


④ 体温保持


ヒトの一般的な平熱は36.6~37.2℃


健康的な代謝活動(消化・吸収・循環・排せつ・呼吸など)がスムーズに行えるための適温です。体内においてその温度をキープするための働きがあります。

効率よく維持するために1gで9kcalというエネルギーを作ることが出来るのでしょう。

低体温は、万病のもと。

ホルモンの変動が常にある女性は、脂質が慢性的な不足状態化で体温維持の分まで吸収できていないのかもしれません。


⑤ 内臓の保護


内臓を守るクッションの役割です。

柔らかい臓器には柔らかいクッション的な保護装置も必要です。

骨も同じく内臓を保護しますが、硬いもので柔らかいものを保護するには限界があります。逆に圧迫をしてしまう事もあるからです。

大切な内臓は、柔らかい脂肪と硬い骨の2重構造で守られています。


⑥炎症のコントロール


炎症とはカラダに起こる火事。

花粉症、下痢、肩こり、腰痛などの痛みや○○炎とつくような症状などです。

煙がくすぶるようなぼやは、炎症で言うなら慢性炎症のようなもので、火事は火事です。

初期段階であれば、狭い範囲ですみますが、慢性炎症の様に長期間であれば、見えない部分にまで広がっているため、広範囲なため時間を要したり、後が残ります。


その炎症を抑制する脂質がオメガ3オイルです。

炎症作用とオイルの関係で

オメガ3:抗炎症

オメガ6:炎症亢進

と言われていますが、オメガ6にも働きはあります。

炎症に対しては正反対の働きをもつこの2つは摂取バランスが重要で、

オメガ3:オメガ6=1:2がベスト


炎症は修復反応で、長期化や複数箇所で起こるのはNG。

現代人の食事はバランスが悪いため、バランスを戻すためにオメガ6を減らす必要がありますが、オメガ3不足も考えられるかもしれません。


ちなみに炎症があると栄養の吸収が出来なくります。

カラダのどこかで異常なサインを感知したら、まずは火消しが必要。

そして、吸収が出来たとしても十分な量ではない上、様々な酵素やホルモンが炎症(火事)を消すために、生成し続けなくては行けなかったり、浪費されたり…本来必要な働きをするには足りない状態になります。


そして、外部環境の変化にかかわらず生体の内部環境を一定に保とうとする機能:恒常性維持機能(ホメオスタシス)が崩れます。すでに内部で起きている炎症のため、一定に保つことは難しい。

吸収だけでなく、血液リンパ液循環や血圧調整、消化、呼吸、排泄などの影響がでるのも当然ですね。

*恒常性維持機能は自律神経系・内分泌系・免疫系で保たれています。




3.脂質の分類

脂質は、構成している脂肪酸の種類で分類されます。

どれも、カラダを構成するには必要な脂質です。




3-1.不飽和脂肪酸とは

カラダに良いと言われる「不飽和脂肪酸」

不飽和脂肪酸とは、不飽和状態=満たされていない部分がある脂肪酸で、その部位に酸素や他の物質が結びつき、新たなものを生成したり、結びついたものを運搬してくれる働きを持ちます。


満たされていない分、満たされようと何かと結びついたり、結びつくことで生成物を作ることをします。

結びつきたい相手No.1は、酸素。

そして、その酸素を結びついて出来る代表的な物が、エネルギーです。


また結びつきやすいように&結びつきを求めて、常温では固まりにくい性質を持っています。


結びつく場所にも、若干違いがあり、その場所の違いを示して分類したものが、オメガ3・オメガ6・オメガ9です。

結びつく部分が違うので、特性も異なります。


ちなみに飽和脂肪酸は、飽和状態=満たされている序遺体の脂肪酸で誰とも結びつかず、安定的。

安定な分動きにくいといったイメージ。


でも、それぞれメリットもデメリットがあり、バランス良く摂ることが大事です。



3-2.必須脂肪酸とは

ちなみに、不飽和脂肪酸の中には、体内で作ることが出来ない脂肪酸があり「必須脂肪酸」とも言われます。

そのため、食事でしっかり摂取する必要があります。


α‐リノレン酸(ALA)、リノール酸、アラキドン酸、DHA、EPAがあります。



必須脂肪酸を含む不飽和脂肪酸とその作用、食品についてまとめた表です。


代表的な脂肪酸

メリット

デメリット

含まれる食品

オメガ3

α-リノレン酸

高血圧、心疾患、ガン予防

元々低血圧や低血糖の人:血糖値や血圧に変動。抗凝固作用があるため、過剰摂取により出血リスク。

亜麻仁油

エゴマ油

オメガ3

エイコサペンタエン酸(EPA)

血液をサラサラ、中性脂肪を減らす、善玉コレステロールを増やす、免疫反応を調整、抗炎症

血液が固まりにくくなるため、薬との併用注意。

魚介類

オメガ3

ドコサヘキサエン酸(DHA)

脳や神経組織の機能を高める、加齢黄斑変性症の予防、血液をサラサラ、中性脂肪やコレステロール値を下げる、体内の免疫反応の調整、脂肪燃焼の促進、血管壁の収縮など

血液が固まりにくくなる、血圧を低下させるため薬との併用に注意

魚介類

オメガ6

リノール酸

血中のコレステロールを低下、動脈硬化予防

摂りすぎは高血圧やアレルギーの原因に

ゴマ油

オメガ6

γリノレン酸

血糖値や血中のコレステロールを低下、アレルギーによる抗炎症

体内でリノール酸から合成されるが、限られた食材にしか含まれていないため、リノール酸を通じて間接的に摂取されることが多い。不足すると高血圧、高血糖の原因

月見草油

オメガ6

アラキドン酸

免疫機能を調整する、学習力や記憶力を向上する、認知機能を改善する、精神面での成長に良い影響を与える、 血圧を下げる、脳をリラックスなど

摂りすぎは、大腸ガンや前立腺ガン、皮膚ガン、動脈硬化、アレルギー性湿疹、アトピー性皮膚炎などの症状を引き起こすなど

肝油

レバー

オメガ9

オレイン酸

コレステロール値を下げるほか、高血圧や動脈硬化、便秘の予防効果、肌の乾燥を防ぐ効果、

体内で作ることが可能なため過剰摂取で、血中脂質値を増加させ、高脂血症や動脈硬化のリスクを引き上げる可能性。肥満や生活習慣病の原因に。

オリーブオイル、ひまわり油、サフラワー油、ヘーゼルナッツ油など


良いと言われる脂質でも、脂質の特性上、過剰摂取は肥満に繋がり、続いて疾患の原因になります。

バランス良く摂りましょう。

といっても、バランスが分からないという方は、様々な脂質を摂る様に心がけましょう。



4.気をつけたい脂質

摂取する際、気をつけたい脂質は、飽和脂肪酸とトランス脂肪酸です。


この 飽和脂肪酸とトランス脂肪酸を摂り過ぎると、悪玉コレステロール(LDL)が増加し、動脈硬化や心疾患、脳卒中などの生活習慣病リスクを高めます。


飽和脂肪酸は、上記にも上げましたが、飽和状態=満たされている状態の脂肪酸でとても安定しています。

主に動物性の脂質に含まれています。


トランス脂肪酸は、飽和脂肪酸の一種で、体内での代謝機能がないとも言われています。

が、天然由来にも含まれるので、一諸説だと思います。(代謝機能について研究段階かもしれません)

そのトランス脂肪酸は、人工のものが加工時の加熱などにより生成された毒性物質が良くないと言われています。

マーガリン・お菓子、ケーキ、ショートニング、スプレッドなどに含まれています。


飽和脂肪酸は、動物性のものが多いのですが、ヒトも動物の一種。

似通っているので、ある意味必要な成分です。

摂り過ぎによる弊害があるだけなので、「量を気をつける」様にしましょう。


(参考)

飽和脂肪酸の良いところ

・不飽和脂肪酸に比べてエネルギー効率が良い

・ホルモンや細胞膜の原料

・女性らしい柔らかいボディラインにはある程度皮下脂肪は必要

・外的刺激から体を守るクッションの役割

・寒いところでも体温を維持する



5.注目の飽和脂肪酸

飽和脂肪酸の中でも、注目されるのがMCTオイル


MCTとはMedium Chain Triglyceride(ミディアム チェーン トリグリセリド)中鎖脂肪酸と呼ばれており、一般的な脂肪酸とは代謝経路が異なるため特徴が異なります。


〈MCTオイルの特徴〉

・エネルギー(APT)化しやすい

・抗炎症

・抗カンジダ

・胃で分解消化が可能(胆汁を使用しない)

・代謝時に活性酸素の発生が少ない

・脂肪として蓄積されにくい


です。


但し、日中倦怠感の強い人や脂の消化が弱い(油物を食べると胸やけしやすいなど)方は、控えるか、徐々に増やして摂取することをおススメします。


〈注意事項・摂り方例〉

・空腹時は避ける

・加熱しない(飲み物や炒め物にプラスする時は、飲める・食べることが出来る温度で使用。)

・2g/回 → 不調がなければ、徐々に増やす → 10g×3/回 

・糖質とセットで摂る


です。


MCTオイルもやはり脂質。

摂り過ぎてエネルギー化しなかったものは体内に溜まるので、摂り過ぎは注意です。


カラダにイイと言われると積極的に摂りたくなるのが常ですが、偏りは弊害になります。

様々な食品を日々食べることが一番の近道です。


6.脂質適正摂取量

脂質の理想的な摂取量は、総エネルギーの20~25%、成人では、1日50g程度が目安です。

(例:基礎代謝量1500キロカロリー で50~60g)


これは食品中と料理で使う分を含んでいます。

そのため料理で使う分は大さじ1~2ぐらい(12~24g)です。

(食事例:肉野菜炒め定食20~30gくらい 揚げ物やラーメン40gくらい)


食品中の「見えない脂質」は意識しにくいので、知らずに過剰摂取になりやすいので注意しましょう。


7.脂質制限のメリットデメリット

7-1.メリット

脂質制限ではパンやご飯などの炭水化物をカットする必要はないため、主食を減らさなければいけないというストレスは溜まりにくいでしょう。

また、脂質は1gあたりのカロリーが高いため、脂質制限をすると同時にカロリーを減らしやすいところもメリットです。


・食後の満腹感を得やすい(㊟ただし、炭水化物を摂取した場合:血糖値が上がりやすいため)

・カロリーを減らしやすい

・生活習慣病の予防に効果が期待できる

・主食を減らさなくてもよい

・筋肉が落ちにくい

・リバウンドしにくい

・体脂肪を減らす効果や、動脈硬化や糖尿病などの生活習慣病のリスクを減らす

などです。


7-2.デメリット

ダイエット初期から体重が著しく減らないので、モチベーションが上がりにくく、

腹持ちの良い脂質量を減らしていることからも糖質制限と比べると、空腹感を覚えることが多くなります。


・外食がしにくい

・メニュー選びが難しい

・調理法が限定される

・味の濃い物やジャンクフードが食べられないストレス

・細胞膜や血管壁が弱まる

・ホルモン生成や分泌、バランスに影響がでる

・肌荒れや髪のパサツキ、皮膚炎

・エネルギー不足

・免疫機能の低下

・成長障害

・気分が落ち込んだりイライラしたりする

・便秘

・頭痛が続く

・体力低下

・脳出血

などです。

デメリットの方が多くなってしまいましたが、脂質は3大栄養素ですから、ある程度摂取しなければいけないという事なのかも。


前半はこちら


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